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PM:生き残ることのその先へ

Theresa Saldana『Beyond Survival』全訳

Beyond Survival - Chapter 6 Family and Friends 7/16

 バーバラ・モリスはベルモントに住んでいる。彼女がインタビューに応じてくれるとの彼女の母の知らせを受けて、私は自宅にいるバーバラに電話をかけた。

 大学教授の妻であるバーバラは、ニューイングランドの美しい田舎町で充実した生活を楽しんでいる。バーバラとの対話は、被害者の人生において鍵となる人々が、たとえ試練の期間をとおして物理的にはその場にいることができなかったとしても、起こった出来事の影響を受けて変わっていくものであるという事実を浮き彫りにした。彼らは自分の愛する人が経験している事態を知ることのつらさで苦しむだけでなく、自分がその場にいることができないことからくるさらなる苦痛も味わうことになるのである。

 「私はいつもダイアンに特別な親近感を覚えていました」、バーバラ・モリスはそう打ち明けた。「私は5人のきょうだいのなかで一番年上で、ダイアンは私より9歳も若いのですが、私たちのあいだには二人を結ぶ絆が常に存在していました」。

 「妹の身に起きたことを私が最初に聞いたとき、私は完全に我を忘れました。ダイアンの事件が自分にもたらした苦悩と悲痛の激しさに私はショックを受けました。私は心を欠き乱され、怒り、怖れ、無力感を味わった。そして、妹がどれほどひどく傷つけられたかを知っておきながら何千マイルも遠く隔たった場所にいるのはおぞましいことでした」

 「私はすぐにでも飛行機に乗ってダイアンのもとに駆けつけたかった。ですが多発性硬化症のため私は容易に旅行することができません。母やトニーと話して、私は自分がそこにいる現実的な必要性はないのだと認識しました。ダイアンは十分なケアを受けていました。そしてある意味で、私は自分自身の肉体的な制約のため、皆にとってむしろ重荷になってしまうだろうとも思いました。ですが、私がその場にいることをダイアンが本当に必要としているともしもそのとき自分が感じていたら、私はどんなことをしてでもそこに行って、あらゆる可能な方法で援助をしただろうと思います」

 「最初の数日、数週間のあいだ、トニーが私を皆とひとつに結びつけてくれました。彼はそれは長い時間私と電話で話して、ほとんど毎分ごとの詳細を私に伝えてくれたので、遠く離れたここにいても、私はあなたが言うところのダイアンの『内部サークル』の一員だと感じることができたのです」

 「私たちを隔てている数千マイルは時には耐えがたく感じられました。私は彼女を自分自身の眼で見たかった、彼女に触れ、キスをしたかった。私は大きな孤立感と無力感を感じていました。私がこのことをトニーに話すと、彼は電話口で素晴らしいやりかたで私に手を差し伸べてくれました。彼は本当に辛抱強く、苦労を惜しみませんでした。彼がありとあらゆる詳細を私に教えてくれたので、私はダイアンが日々どんなことをしているのか正確に知っている気分になりました。これは私の不安をいくぶんなりとも和らげました」

 「はじめのうち、ダイアンは支離滅裂な状態でした。彼女はふだんの自分ではまったくなかった。彼女はまるで変わってしまって、錯乱していて、私のいつも知っている、快活で、とっても鋭敏な心の持ち主である妹とは別人のようだった。私が話で伝え聞いた妹のふるまいに動揺したとき、トニーはこんな風に言っていました、『時間はかかるでしょうがダイアンは良くなっていくと僕は確信していますよ』。いま考えてみると、彼自身がどれだけ心をかき乱されていたに違いなかろうと私は思います。それでも彼は気丈にふるまって、私の母と私自身の両方にとって、そしてとりわけダイアンにとって、素晴らしい助けになり、励みになってくれました」

 「そういうわけで、私は彼が私たちに示してくれた思いやりに感謝します、そして彼がダイアンに与えてくれた愛と気遣いと支援になおいっそう感謝します。すべての男性が、あのようなおぞましい試練をとおしてひとりの女性に寄り添い続けることができるわけではないでしょう」

 「あの事件のことについていまここで話すだけでも、私はあの時の怒りを再び覚えはじめます。私は体の震えを感じ、泣き出したいような気分になります。妹が乗り越えていかなければならなかった苦痛はあまりにも大きかった。そして彼女を愛する私たちみんなも、それを感じていたのです」

 「幸いなことに、私は当時セラピーを受けていました。それで私は自分自身の不安をトニーだけでなく精神科医にも話すことができました。ダイアンの身に起きたことを知った人々は、彼女はいくぶんかは自業自得だった、あるいは事件は避けることができたと示唆するような類の意見をしばしば口にします。そんな言葉を聞かされると私の理性は吹っ飛びます。それは心底から私を怒り狂わせます。次第に私は理解しました、人間は恐ろしい状況に対峙したとき、自分の身にはよもやそんなことは起きるまいと信じることができるように、物事に理屈をくっつけ合理化したがるのだと」

 「私は多発性硬化症の患者ですから、恐ろしくて普通ではないとひとびとが考えるなにかに対処することがどういうことなのかを知っています。そして、健康の問題は私にとって他人事ではありませんから、私はダイアンの肉体的な試練にいっそう大きな思い入れを感じるのです」

 「妹が襲われたと知ったあとで、私はずっと泣いていました。私の夫は理解を示し、優しくしてくれましたが、彼はダイアンのことをあまりよく知らなかったので、事件はそれほど烈しく彼に打撃を与えることはなかったのです。この出来事をとおして、私は大きな変化を経ていきました。私はずっと慎重に、臆病になりました。以前の私はいつでも基本的に他人を信用していましたが、事件以来、私は人に厳しく、用心深くなっていきました」

 「私はダイアンを深く愛していますが、私の家庭のなかでこうした思いを声に出して話し合うことは稀にしかありません。そこでトニーが橋渡しになってくれました。私は彼をそれまでよく知りませんでした、なのである意味で、彼と思いのままに話すには電話のほうがやりやすかったのです。私は家族のほかの人たちとの電話の最中に、あからさまに取り乱したふるまいをしてもよいとは思っていませんでした。それに私はダイアンに負担をかけたり、彼女を動揺させたりは決してしたくなかったのです」

 「ですがトニーは私が感情を露わにすることを止め立てしようとは決してしませんでした。私が彼を必要としている時はいつでも、彼はただ私に耳を傾け、答えてくれました。危機の最中に、もっとも強力な援助をそれまでほとんど知らなかった人から受けることがあり得るというのは、本当におもしろいことです」

 ダイアンの母と姉にインタビューしたあとで、私はどうしてもトニーと話したくなった。

 「僕が自分に見いだしていた役割は」、トニーは私に語った、「手助けをする者、支える者、そして力の供給者でしたね。あの危機的な時期をとおして、それが自分の提供できるもっとも有益な事柄だと僕は信じていた」。

 「僕が一番に気にかけていたのはダイアンのことでした。彼女は自分の抱え込んでいる苦悩を吐き出す必要があったし、彼女の身に起きた出来事の一部始終についての彼女の疑問に答えてもらう必要もあった。彼女は事件の最中の出来事をいっさい忘れていて、それがフラストレーションになっていたんです。それで僕は、彼女が知る必要のあることを彼女に伝えていきました。僕たちは何時間も話しました」

 「僕は情報を拡散させる責務も自分に負わせていました。本当に多くの人が電話をかけてきた、特にバーバラは四六時中でした。そして彼らは事実を必要としていたんです。ダイアンがいま肉体的に、精神的にどんな状態なのか、彼らは知る必要があった」

 「とりわけバーバラは、心をかき乱され、自分がそんなにも遠く離れた位置にいることを呪っていた。彼女がどれだけ妹のことを愛しているかを知って僕は心を動かされました。そして僕には、バーバラが感じている心底からの苦痛が分かったのです。それで僕はいつでも可能なときには彼女と話せるようにしていました」

 「振り返ってみると」、トニーは続けた、「ダイアンのママがもっとも大きな助けでした。もしあの人がいなかったら、僕はもっとずっと取り乱して、ほかの人によくすることは大してできなかったに違いないと思います。彼女には、人を落ち着かせる根っからの力があります。彼女は知恵遅れの人たちの手助けをする活動に取り組んでいるので、長い年月をかけて、非常時でもなだめるように平静に人と接するやりかたを身につけてきたんだと思います」

 「僕はダイアンや事件のことについての僕の思いをマーラー夫人と共有することに慰めを見いだしていました。なぜなら彼女は当事者の立場から真に理解してくれたからです。ほかのどの人も、僕の悲痛の深さや起こった出来事のもっとも暗い現実を推し量る糸口すら掴めなかった。いまでも他人にそれを説明するのは困難です。彼らはそれを受け止め十分に把握することができない。でもマーラー夫人と僕は、たとえ言葉を交わさずとも、ダイアンと僕たちが経験してきたことに関する、欠けるところのない恐ろしい真実を知識として共有していたんです」

 「僕は事態がどんなに悪くなろうともできるかぎり平静を保つことで、ダイアンのママを見倣おうと努めていました。いずれにしてもダイアンは、僕たち三人に向かって動揺や苦悶を存分に表していました。彼女にはそれをするだけの申し分のない権利があったんですから!」

 「たいていの男には、マッチョタイプであろうとなかろうと、守り、与えようとする本能があります。このようなことが起きたとき、たとえそれが現実に自分のせいではないと分かっていても、彼は自分が誰かを見殺しにしたような感情を暗に抱くものなのです。もちろん僕は、自分があの場にいてダイアンを守り、彼女が傷つけられるのを阻止することを望んでいます。でも僕はあそこにはいなかった。僕はその事実とともに生きていかなくてはなりません。過去に遡って起きたことを変えることは僕にはできない。だから僕は、自分のできるベストなことは現在の彼女の手助けをすることだと思ったんです。ダイアンや彼女の家族によい行いをしていると思うと、自分自身のこともより肯定できるようになりました。僕は自分ができる限りの手助けをしているつもりでした」

 「起こった出来事それ自体だけでも僕は十分に酷い気分になりました。でもほかの人々がみせる態度は僕の苦痛をいっそう悪化させました。なにかについて理解していない人間は、ひとを傷つけ、怒り狂わせるようなことを口走りがちなんです」

 「こんな批評を僕は憎悪しています――『なんで君はその場にいなかったんだ?僕は自分のガールフレンドをみすみすこんな目に遭わせたりは絶対にしないよ』。あるいはこんなことを豪語する奴もいましたね――『もしも自分の妻にこんなことが起きたら、僕はそのクズ野郎をブッ殺してるよ』」

 「なかには、僕が最初の時点でダイアンを守るために十分なことをしていなかっただけではなく、今でもなお僕が十分なことをしていないとそれとなく指摘しようとする人物もいました。でもダイアンのママは、いかなることについても僕に罪の意識を抱かせるようなことはしなかった。彼女は決して僕を咎めることはなかったし、過去にも、今でも、僕がやること全てを常に支持してくれています」

 「復讐だとか、自分の手で裁きをくだしてやろうといった考えは、こんなことが起きた後では誰の心にも浮かぶものです。しかしそれは膝を叩けば足が上がる反射みたいなものです。それについてあれこれ空想するのは簡単ですが、現実を見究めたとき、暴力による報復がいかに実現不可能なことかはよく分かるでしょう」

 「僕は殺人鬼ではありません。そしてもし僕が誰であれ人を傷つけたら、行きつく果ては刑務所です。ダイアンも彼女の家族の人たちも、あの男のところへ行って傷つけるなり殺すなりしてこいというようなことを僕に示唆したことは一度もありませんでした。それでも、僕たちは皆、彼がダイアンにやったことについて心の底から怒りを覚えています」

 「本当のことを言うと、ダイアンの事件の裁判の成り行きを見届けたあとの僕は、どのようにして一部の人々が自らの手で裁きを下さねばならないと感じるようになったのか、その心情が理解できます。ダイアンを襲った男はまったく軽い刑で済み、それは僕たち全員を完全に憤激させました。彼はふさわしい罰を受けなかった、しかしダイアンは彼が彼女にやったことのせいで一生苦しみ続けるのです。苦しみと記憶の点から言えば、それは彼女の家族と僕も同様です」

 

 犯罪被害のもたらした初期のトラウマがいったん収束すると、被害者の内部サークルのメンバーのなかには、彼らの経た経験を分かち合うことによってほかの誰かを手助けしたいと希望する人も現れる。そうすることで人はしばしば二重の利益を実現する。第一に、困っている人を助けることによる利益、そして第二に、ネガティブな体験からポジティブななにかを産み出すことによって自分自身を助けることによる利益である。

 クレア・ボズレー――娘のサラが性的暴行の被害を受けた――は、まさにそれを行った。娘の心理面の回復のあとで、クレアはレイプとそれに関連する問題を人々に啓蒙する活動に関わるようになった。他人を助けようという意識的な決意を自分がしたという記憶はクレアにはない。むしろ、機会のほうが向こうからやって来て、彼女がそれを受け入れたのだった――はじめのうちはおずおずと、そして徐々に、彼女がしていることが真にほかのひとびとの役に立っているという手ごたえを感じながら。

 クレアは彼女の大学の女子学生社交クラブの全国最高執行役員の地位にある5人の女性の一人である。責務の一端として、彼女は国じゅうの26のソロリティが集う会議に出席している。したがって彼女は自分が所属するグループに留まらず、はるかに大きなスケールで他者の手助けをすることが可能である。

 会議では決議が可決され、それに基づいて、女子大学生に関するなんからのテーマに沿った活動がはじめられる。最近のプロジェクトのひとつは薬物・アルコール依存に対する大規模なキャンペーンであった。もうひとつは神経性拒食症や過食症などの摂食障害に関するプログラムだった。

 ある会議で、性的いやがらせと性的虐待の問題が俎上に上がったが、女性たちがその問題を議論していくにつれて、クレアは大半のメンバーの無関心ぶりに驚かされた。彼らの多くは、国じゅうの大学キャンパスで、知人によるレイプ、見知らぬ人間によるレイプ、性的いやがらせがどの程度起きているのか見当もつき難い様子だった。強い不信感を表す人もいた。

 クレアは深呼吸するとこう言った、「私はこのことについて知っています。私の娘はレイプされました」。誰かが音を立てて息をのんだ。そして会議室は静まり返った。クレアはなにが起きたのかをかいつまんで手短かに説明し、このテーマに対して彼らが示す不快感や冷淡さの度合いに驚いた。しかし、ほかの人々が議論に加わっていくにつれて、最終的には大半がこの問題について女子大学生を啓蒙するプログラムの実施案を支持するようになった。性的いやがらせ、性的暴行、性的虐待に関する議決が通された。

 クレアはそのときから急に一種のエキスパートとみなされるようになり、個々のテーマの探究に加わることを求められた。「私たちはこのことについてなんの資料も持っていないの」、誰かがつい本音を言った。

 「資料は見つけておきます」、クレアは答えた。

 「背景にあるアイディアは」、クレアは説明した、「ソロリティの若い女性たちに、性的被害の潜在的な危険性を警告するシグナルに注意を払うよう啓蒙することです。彼らに防止策を指南し、もしそれが彼らや彼らの友人に起きたらどうすればいいかを教えること。プログラムが実施されたら、何千人もの女子大学生がその恩恵を受けるでしょう」。

 最近、クレアの牧師が彼女に、信徒の女性のグループ向けにレイプの問題について話をしてくれるよう求めた。牧師の考えは、大多数がかなりの年配者である彼女たちに、残念ながらこれらの一見安全そうな女性にとってすらも無縁ではなくなりつつあるこの難しい問題を啓蒙してほしいということであった。

 彼らの多くにとって、罪のない女性が性的に暴行されるということは、ただ考えるだけでも深い精神的動揺を招くような事柄であった。牧師はクレアに、彼女自身の娘のレイプについて、それがどのような影響を家族に与え、そして人は実際いかにしてそうした恐ろしい、衝撃的な出来事を耐え忍び、乗り越えて生きていくのかについて話してほしいと頼んだ。

 教会に集う女性たちの多くを庇護している不可侵性の意識のささやかな殻に罅を入れることは、ある意味で悲しくもあり、ほとんど残酷ですらもあるとクレアは思っていた。しかし彼女は、このような非常に直接的なかたちで性的暴行の問題について知ることに、彼らが心からの関心を抱いていることを知った。実際にレイプを経験した娘の母親から話を聞くことによって、彼らは性的暴行につきものの感情的、精神的な問題を真に把握することができた。

 集会の終わり近くになって、女性のうちの二人が声を上げ、同じことが自分の家族にも――孫にも起きたと語った。二人はともに、それが彼女たちに大きな苦痛を与えてしまうのではないかと恐れて、被害に遭った孫娘にその話題を自分から切り出すことはできずにいた。クレアの話を聞いたあとで、彼らは両方とも孫娘にまっすぐ向き合うことに決め、それについてなにか話したいことはないかと尋ねたり、もし必要ならレイプクライシスセンターの援助を求めることを薦めたりもしてみようと考えた。

 その晩グループが解散したとき、二、三人の女性はショックで青ざめた様子だったが、それでも彼らの全員がクレアと牧師に何度もその日のプレゼンの感謝を繰り返していた。

 クレア・ボズレーは、彼女の日々の生活のなかでも他人に手を差し伸べている。単にそのトピックについて話をし、彼女の詳細にわたる知見を分かち合うことによってである。

 「もしもなにかのきっかけでその話題が持ち上がったら、私はそこでためらいなく『それは私の家族にも起きたことなの』と言うことができるわけです」、クレアはそう私に語った。

 「あまりにも多くの人がひどい誤解をしています。それはいくらかは被害者の側にも責任があるのだとか、それは『良い』人間には起こらないことだなどと、いまだに多くの人が信じています。私とそのことについて話した後で、彼らは大きく異なる考え方を抱くようになります。そしてそれは、まったくの理解の欠如をいくらか正すことになるというだけでも、やりがいのあることなのです」

 「私の娘のサラもほかの人々の援助に深く関わっていて、彼女はよく大勢の聴衆に向かって性的暴行の問題についての話しをしています。はじめのうち、彼女がやっていることを私が受け入れるのは難しかった。それが彼女の苦痛を長引かせるのではないかと私は心配したのです。でも私はそのことでサラと話し合って、他人に手を差し伸べることは、彼女の回復に実際役立っているんだと理解できるようになりました。そして私は、もし彼女がそうできるのなら、私もできるだろうと思っています」

 「時には過去の苦痛を呼び覚ますような質問をされて、気が動転することもあります。でも私は深呼吸をして、なんとかやり過ごしています」

 「つらいこともたまにはありますが、私は自分が人の役に立っていることをうれしく思っています。そしてサラも、私がしていることで私のことを誇りに思うと言ってくれます」

 「私ははっきりと責任を自覚しています――私は少なくとも、世の中で何が起きているのかをほかの人たちに意識させようと試みる必要がある。ひとびとが性的暴行を避けるための対策を講じることができるように、そして、彼らが問題のよりよい理解へと達するように」

 クレア・ボズレーにとって、彼女が新たに得たレイプに関する知識によって他者に手を差し伸べることは決して容易ではない。しかしそれは、過去の苦痛を利用して現在における他者を――そして彼女自身を――救う前向きな方法を産みだしているのである。