PM:生き残ることのその先へ

Theresa Saldana『Beyond Survival』全訳

犯罪被害者の二次被害:小金井ストーカー事件の場合 1/5

捏造報道

岩田華怜さんに5年間つきまとっていたストーカーが今年6月にストーカー規制法違反で逮捕されて以降の一連の報道で、メディアの多くは岩田さんを「元AKBで現在は女優」と報じている。「元AKB」とだけしているものもあるが、少なくとも、かつてアイドル活動をしていたからといって今でもアイドルであるかのような報道のされ方はしていない。それと比べたとき、小金井ストーカー刺傷事件(小金井ストーカー殺人未遂事件)の被害者の冨田真由さんをアイドル扱いした事件直後の一斉報道がいかに異常な組織的捏造だったかがよく分かる。

 

共に執拗なストーカー被害を受けていた岩田さんと冨田さんのうち冨田さんの事件では、被害者をなんとかしてアイドルに仕立て上げたいという動機と、その工作が出来るだけの力を有する者がいた。被害者から事前に相談を受けていながら不手際によりみすみす凶行を許してしまった警察である。事件直後に書かれた新田樹の記事が伝える夕刊紙記者の談が「アイドル捏造事件」の真相をほぼ言い当てているのだろう。

 もしも岩埼容疑者の状況を警察が確認し注意喚起などを行っていれば、このような痛ましい事態には発展しなかった可能性が高く、今回の事件はどこからどう見ても、事態を軽く考えていた警察側の怠慢により起きてしまったものと言える。


 しかし、そのような警察対応への批判の声がメディアにはあまり出てこず、むしろ、「『アイドルファン』と『アイドル』の近すぎる関係性の是非」といった別の議論に収斂されている。フジテレビ『直撃LIVE!グッディ』にいたっては、被害者となんの関係もないアイドルグループの過剰なCD特典商法をあげつらっていた。そこには、意図的な情報誘導があると夕刊紙記者が語る。


「報道では冨田さんが『アイドル』ということになっていますが、実際は『シンガーソングライター』で、『アイドル』じゃない。本人もそう自称してますし、ファンもそういう認識でした。過去に、元アイドリング!!!朝日奈央伊藤祐奈らとともにシークレットガールズという企画ものアイドルユニットを組んでいた時期があることから、『アイドル』という経歴が押し出されている。これはもちろん、我々マスコミが視聴者、読者受けを狙っているというのもありますが、もう一つは、警察自ら冨田さんがアイドルをやっていた時の情報を中心にメディアに流しているからです。警察側としては、ストーカー対策の不手際からメディアの目をそらさせたい。だから、『アイドル』時代の情報をどんどんメディアに流して、AKBの刺傷事件の時にも盛んに交わされた『アイドルとファンの近すぎる距離感』という方向に議論をもっていこうとしているのではないでしょうか」 *1

実のところ上の発言は警察の非道の告発であるだけでなく、視聴者、読者の受けが良くなるように犯罪被害者の肩書を粉飾して報道するという耳を疑うような犯罪的行為を、うちらの業界では常識だとばかりに「もちろん」の一言で片づけて憚らない「我々マスコミ」の非道の告白でもある。アイドル冨田真由さんは、警察とメディアがそれぞれおのれの保身と読・視聴者受け狙いというまったく身勝手で利己的な思惑に沿って共同プロデュースした架空のバーチャルアイドルである。

 

冨田真由さんは女優・シンガーソングライターである

冨田さんがどういう芸能活動をしていたかは、本来ならば一次資料――つまり冨田さん自身による公式の活動記録を参照して判断すべき事柄である。Ameba冨田真由オフィシャルブログ「Living.」は、月刊少女漫画雑誌『ちゃお』2012年8月号~2013年5月号の付録DVDに収録されたドラマ『シークレットガールズ Season 2』の撮影がちょうどクランクアップした2012年4月に開設されているので、ブログの記事を辿っていけばシークレットガールズ後の冨田さんの芸能活動の全体像を把握することができる。それを時系列に沿ってリストにまとめたものが以下の表である。

 

シークレットガールズ後の冨田真由さんの芸能活動

ジャンル 演目
2013年7月 映画 ボクが修学旅行に行けなかった理由 ※
2014年5月 演劇 タイムポンポン ※
2015年2月 即興演劇 谷中コメディーショー
2015年2月 演劇 繋ぐ!
2015年3月 即興演劇 王子コメディーショー
2015年6月 演劇 たりない写真、歌えなかった唄のために ※
2015年7月 演劇 谷中コメディーショー
2015年7月 演劇 ロマンス(主演) ※
2015年9月 演劇 姦しく嬲る
2015年9月 音楽ライブ SOLID GIRLS NICHT VOL. 3
2015年9月 ミュージカル バックホーム
2015年10月 即興演劇 OvObライヴ vol.1
2015年10月 音楽ライブ Aco Life 149
2015年11月 音楽ライブ ガールズバンド企画『ロジウラ革命』
2015年11月 演劇 吾木香 ~ワレモコウ~
2015年12月 演劇 モノクローム~FOLK US~
2016年1月 音楽ライブ Aco Life 158
2016年2月 音楽ライブ SOLID GIRLS NIGHT VOL. 8
2016年3月 音楽ライブ Kopepe CS Live
2016年4月 音楽ライブ Aco Life 168
2016年5月 音楽ライブ SOLID GIRLS NIGHT VOL. 11

冨田真由オフィシャルブログの公式活動記録による
緑色は女優の活動
青色はシンガーソングライターとしての音楽活動
公演・上演が月を跨ぐ場合は初日の月とした
※印の作品はDVDが発売されている

 

冨田さんはアイドルではないと報道に異を唱える良識派の人々は口を揃えて「冨田さんはアイドルではなくシンガーソングライターだ」と言っている、が、冨田さんを単にシンガーソングライターとだけ呼ぶのは冨田さんの芸能活動の大幅な矮小化にほかならない。上の表を見れば一目でわかるように、冨田さんの芸能活動は女優(緑色)とシンガーソングライター(青色)の二本柱からなる。このうち時系列で先行しているのは女優の活動で、実績ベースでも女優がキャリアの過半を占めている。

 

冨田さんはアイドルではないと報道に異を唱えていた人でも冨田さんがかつてアイドル活動をしていたことは認めていた、そのアイドル活動が「シークレットガールズ」である。シークレットガールズについてまず知っておくべきことは、それが少女漫画雑誌『ちゃお』の付録DVDに収録のアイドル役を演じる同名の連続ドラマから派生したアイドルユニットだということである。「女優」という冨田さんの終始一貫した活動の幹を認識できてさえいれば、女優の一環としてアイドル役を演じたことから派生して分岐した、冨田さんの活動履歴をとおして一際目立つとはいえあくまでも幹ではなく枝のひとつとしてシークレットガールズを正しく位置づけることができるようになる。要するに、冨田さんの芸能活動の中でアイドルが幹の位置にきたことはかつて一度もない。シンガーソングライターのほうにばかり目を向けて女優のキャリアを無視するから枝を幹と誤認するのである。シークレットガールズに関してもう一つ重要なのは、それが少女漫画雑誌の付録DVDのドラマに由来するアイドルであって、ということは基本的に女の子が応援するアイドルなのであって、男性ファンの疑似恋愛感情をくすぐるようなタイプのアイドルとはもっとも縁遠い位置にあるという点である。冨田さんをシークレットガールズのEYEちゃんだと記憶している人はネット上でたしかに少なくないが、シークレットガールズのメンバーとしての冨田さんのことを思い入れをもって語っている人の大半は女性である。そして最後に、アイドルユニットとしてのシークレットガールズの活動期間は事件から3年以上も前の2011年7月~2013年4月である。

 

冨田さんのブログに一通り目を通せば、冨田さんのアイドル活動がシークレットガールズにまったく限定されたものだったこともはっきり確認できる。ブログ開設後まだしばらくは続いていたシークレットガールズの活動の中では、ちゃおガールセレクトショップなどでのイベントで一日店長や2ショットポラ撮影会、握手会などもこなしていた冨田さんがひとたびシークレットガールズを終えて以降の芸能活動は、上の表にまとめた映画1本、舞台12本の女優の活動と、シンガーソングライターとして自作の曲を歌う8回のライブ活動のほかには映画上映に際しての舞台挨拶、上映イベントのゲスト出演があるだけで、握手会・サイン会・チェキ会などのファンとの交流イベントやあるいはグラビア撮影、特典付きCDの販売といった、「アイドル活動」と聞いて人が連想するような類の活動の告知や報告は皆無である。アイドルとして活動している人が一時的に女優としてお芝居をするのは珍しいことではない。実際、シークレットガールズの5人のメンバーのうち3人はアイドリング!!!からの参加者である。しかし冨田さんの場合は明らかに女優がアイドル役を演じた機会にあわせてその時限りのアイドル活動をしていたのであって、その逆ではない。

 

ただ、シークレットガールズ後に冨田さんが取り組んでいた舞台女優・シンガーソングライターは小さな劇場やライブハウスを主な活動の場としていたので、公演の際にある程度ファンとの交流の機会があり、そこで会話だけでなくたとえば差し入れを渡したりすることも可能だった。舞台女優・シンガーソングライターの冨田さんとファンの間の相対的な距離の近さとは、小規模な公演形態で活動している芸能人全般に当てはまる昔ながらの距離の近さなのであって、AKB以降台頭してきた近頃の「会いに行けるアイドル」とファンの距離の近さとは似て非なるものである。女優にしろシンガーソングライターにしろ、一人一人のお客さんと自然に顔なじみとなるような環境に身を置いての下積みの期間をまったく経ず一足飛びにメジャーデビューを果たす芸能人は稀だろう。「ファンとの近すぎる距離」と、近いほうが不自然で異常であるかのようなことを人は口々に言うが、芸能界全体を見渡してみれば、自分を応援してくれる人の顔も名前も皆目分からないほどのメジャーシーンで活躍するほんの一握りの芸能人とファンとの間の遠い距離のほうこそむしろ異例なのではないか。冨田さんとファンの距離関係は、女優とシンガーソングライターを志して芸能の道を歩み始めたまだ20歳になるかならないかの若い人の活動形態としてなんら特殊なものではない。冨田さんは誰に咎を受けるいわれもない普通の芸能活動をしていた人である。

 

事件との関わりにおいても冨田さんをアイドルと呼ぶべきではないし、シンガーソングライターという呼称も不十分である。その点は、メディアが流布している偏向報道とは大きくかけ離れた事実が述べられている裁判の検察側冒頭陳述を見ればただちに理解できる。

 被告人は被害者の掲載されている雑誌を見て被害者の存在を知り、好意を持つようになり、インターネットで被害者が女優として活動していることなどを調べ、被害者のブログに書き込みをしたり、被害者が当時所属している事務所に手紙を送るなどしていました。被告人は被害者のブログにコメントを寄せるなどしたほか、平成27年2月頃からは実際に被害者の出演する舞台を観に行き花束を渡すなどするようになりましたが、実際に被害者をみてますます好意を強め、被害者と交際したいと思うようになりました。
 被害者は平成27年夏頃からはシンガーソングライターとしてライブ活動も行うようになりましたが、この頃には被告人の被害者に対する好意はさらに強くなり結婚したいと思うようになりました(検察側冒頭陳述より)。 *2

検察側冒頭陳述は事件経緯のいわば公式見解である。その公式見解の中にアイドルのアの字も見当たらないことをまず確認しよう。あの犯人が冨田さんの存在を雑誌の記事で知ったのは、シークレットガールズの活動が終了した後の2014年ごろだった。したがって明らかにあの犯人は、シークレットガールズ時代に冨田さんへのつきまといをはじめたアイドルのストーカーではない。かといってシンガーソングライターのストーカーで片づけるのも言葉足らずである。冨田さんに関心をもってネットで調べた犯人は冨田さんを女優だと認識している。この頃の冨田さんはもっぱら女優の活動をしていたのだから当然である。事件までにあの犯人が観に行った冨田さんの芸能活動は計5回で、そのうちの3回目、冨田さんがシンガーソングライターの活動をはじめる前の2015年7月の舞台で公演終了後に直接交際を申し込んでいる。それに対して冨田さんは「ごめんなさい、いまは大学の勉強や舞台とかを頑張りたいので付き合えません」と、大学生活の傍ら演劇の舞台に立つ女優の立場から返答した。 *3 これは裁判の際に検察側の被告人質問で犯人自らが証言していることである。最後の5回目はシンガーソングライターとしての2016年1月17日のライブであるとして、計5回のうち少なくとも3回は冨田さんが女優として出演する舞台をあの犯人は観に行っているのである。ギター弾き語りで自作の歌を歌うシンガーソングライターの冨田さんの姿を見て犯人が思いを募らせていったという、メディアの杜撰な報道をとおしていまや当然の事実のごとく定着しているイメージは端的に誤りである。この事件を「SSWおじさん(シンガーソングライターおじさん)」の危うさを訴えるための材料に利用しようとする人も後を絶たないが、それも事実に照らし合わせて妥当性を欠いている。舞台女優につきまとっていたらその舞台女優がシンガーソングライターの活動を始めたので自動的にシンガーソングライターのつきまといに変じただけの男を、SSWおじさんの暗部を代表する闇の帝王のごとく祀り上げるのは、あの男の身に余る過大評価である。

 

2012年10月4日付のブログの記事で冨田さんはこう書いている。

昨日は「ボクの四谷怪談」と言うミュージカルをみてきました!

 

(中略)

 

私もいつか舞台に立って、見ている人を魅了出来るような役者になれるように、もっと勉強しないとな(`・ω・´)

 

「頑張る」とか「努力する」って、言葉にすると簡単だけれど、行動ってなるとすごく難しい。

でも、もっと頑張りたいと思います! *4

その言葉どおり、シークレットガールズ後の冨田さんは2013年7月公開の初出演映画を経て2014年5月に『タイムポンポン』で初舞台を踏んだ。『タイムポンポン』の稽古の最中に冨田さんは「繋がり」というテーマでこんなことを語っている。

両親が出逢っていなかったら、私はここに存在していないし、生きている中で女優になりたいと思っていなければ、応援してくれるみんなにも逢えないの。 *5

そして翌年にはじつに11本の舞台に出演してそのうちの一作『ロマンス』で主演(宮木智子役)を務めあげている。舞台女優の修業時代ともいうべき2015年に先立つ2014年8月31日に、冨田さんはブログ上の次のようなコメントと共に所属事務所のホリエージェンシーを卒業していた。

事務所と話し合いをし、新しい環境で活動を行うことがお互いにとって1番良いのではないかという結論になり、所属事務所ホリエージェンシーからの卒業を決めました。辞めさせられたとか、仲が悪くなったわけでもなく、お互いのことを考えた上での前向きな想いからの決断です。

 

今後の活動についてはまだ一切決めていないけど、後悔することは絶対にしたくない。
不安がないと言えば嘘になります。それでもたくさんの曖昧があるまま活動を継続して行くことは、違うと思いました。 *6

卒業に際してそう記した冨田さんのその後の活動の軌跡を辿っていけば、事務所の一所属タレントとして与えられた仕事をこなしていくのではなく女優としての研鑽を積んでいきたいという強い思いが、所属事務所を離れる決断を冨田さんに促した大きな動機であったろうことを推し量るのは難しくない。

 

冨田さんにとって2015年は、前年の大晦日

2015年は、また新しいことに挑戦しようと思っています。

もちろん、今までよりもっと好きなお芝居を、2月の舞台だけじゃなくて、どんどんやっていきたいし、少しずつ進めている音楽も早く皆様に届けたい。 *7

と抱負を語っていた音楽活動の始動の年でもあった。冨田さんがお客さんの前でギターを弾くのはギター女子の役を演じた6月の舞台『たりない写真、歌えなかった唄のために』が初めての経験で、そのときの心境をブログで「わー緊張したぁ。舞台で楽器を触るの始めてでどっきどき。心臓でなくてよかた笑」 *8 と打ち明けている。そんな冨田さんのシンガーソングライターとしての初ライブはそれから3カ月後の9月19日で、すべて自作曲によるプログラムだった。2016年に入ってから冨田さんの芸能活動が月1回の音楽活動に絞られている理由の一つは前年末のブログに書かかれている。

まだぼんやりとだけど、来年は舞台の本数、今年より少なくしようって考えています。私はいま大学生で、しっかり勉強したいという気持ちを応援してくれる両親の気持ちに応える責任があるんじゃないかなって。お勉強すきなんだ~  せっかく大学生してるから、いましか学べないこと学びたい。

 

お芝居はもちろん大好きだけど、舞台はとくに本番より稽古期間が長くて、大学に通ってる意味が無くなるくらい行けなくなっちゃう。大学に行きたくても、仕事は仕事だと言いくるめられることも、最初だけ都合のいいことを言ってくる人もまだいるから、後ろ向きな考えになる前にゆっくりペースでね。 *9

5月の事件当日、一年足らず前には舞台上で心臓が飛び出そうなくらい緊張してギターを弾いていた冨田さんは既に7度のライブをこなしており、自身8度目のライブ出演のため初回と同じ小金井のライブハウスに向かう途中で被害に遭ったのだった。

 

女優とシンガーソングライターという二本柱の目標を見据えて具体的な活動プランを自ら組み立て、そのプランどおりに映画初出演の後は舞台女優として、2015年秋以降はそれに加えてシンガーソングライターとしてもキャリアを積み重ねてきた着実な歩みの軌跡と、その過程でお芝居と音楽へ寄せる折々の思いが冨田さんのブログには綴られている。一次資料を参照するという正当な手続きにしたがって冨田さんの芸能活動の内訳を吟味するかぎり、この人は女優・シンガーソングライターであるという以外の結論が出てこようはずがない。ところがその明白な事実を強引に捻じ曲げ、踏みにじり、冨田さんのこれらの活動のいっさいを「アイドル活動」の一言で片づけようとした者がいる。事件直後に被害者はアイドルだと一斉に報じたメディアのあの足並みの揃いっぷりを思い出そう。あの時点で被害者の肩書に関する虚偽の情報を全メディアにトップダウンで一斉入力することができた者は警察をおいてほかにない。だから私は、冒頭に掲げた夕刊紙記者の談がこの異常な「捏造事件」の真相をほぼ言い当てているとみているのである。

「報道では冨田さんが『アイドル』ということになっていますが、実際は『シンガーソングライター』で、『アイドル』じゃない。本人もそう自称してますし、ファンもそういう認識でした。過去に、元アイドリング!!!朝日奈央伊藤祐奈らとともにシークレットガールズという企画ものアイドルユニットを組んでいた時期があることから、『アイドル』という経歴が押し出されている。これはもちろん、我々マスコミが視聴者、読者受けを狙っているというのもありますが、もう一つは、警察自ら冨田さんがアイドルをやっていた時の情報を中心にメディアに流しているからです。警察側としては、ストーカー対策の不手際からメディアの目をそらさせたい。だから、『アイドル』時代の情報をどんどんメディアに流して、AKBの刺傷事件の時にも盛んに交わされた『アイドルとファンの近すぎる距離感』という方向に議論をもっていこうとしているのではないでしょうか」

冨田さんをアイドルに仕立て上げた黒幕は警察であり、メディアはいわば主犯格の警察の指示を受けて動いた実行犯である。ここにみられる警察とメディアの悪魔の共犯関係は、1999年の桶川ストーカー殺人事件のぞっとするほど正確な再現である。桶川事件で警察がメディアを利用して流布した「被害者はブランド好きの女子大生」に相当する世論誘導のための工作が、小金井事件の場合は「アイドル活動をしていた女子大生」なのである。

*1:新田樹「“アイドル”刺傷事件は警察のずさんな対応に責任あり! 目くらまし「ファンとの距離の近さ」議論に騙されるな」 [link]

*2:出典は2017年9月に出版されたムック本に収録された高橋ユキによる小金井事件の記事。内容は別として本の表題と記事の表題が共に酷いのでここでは明記しない。この記事については後述する。

*3:同上

*4:https://ameblo.jp/mayu-tomita-blog/entry-11371235749.html

*5:https://ameblo.jp/mayu-tomita-blog/entry-11852698401.html

*6:https://ameblo.jp/mayu-tomita-blog/entry-11917982777.html

*7:https://ameblo.jp/mayu-tomita-blog/entry-11971551756.html

*8:https://ameblo.jp/mayu-tomita-blog/entry-12037103511.html

*9:https://ameblo.jp/mayu-tomita-blog/entry-12111629657.html